平成14年度資源評価票(ダイジェスト版)
マサバ Scomber japonicus
対馬暖流系群 担当:西海区水産研究所


寿命: 6歳
成熟開始年齢: 1歳(一部)、2歳(完全)
産卵期・産卵場: 春季(盛期3〜5月)、東シナ海南部の中国沿岸から東シナ海中部、朝鮮半島沿岸、九州・山陰沿岸東シナ海南部、九州・山陰沿岸から日本海北部沿岸海域
索餌期・索餌場: 春夏に索餌のため北上回遊を秋冬に越冬・産卵のため南下回遊をする
食性: オキアミ類、アミ類、橈脚類などの浮遊生甲殻類とカタクチイワシなど小型魚類が主
捕食者: 不明



対馬暖流域のマサバ漁獲の大部分はまき網漁業による。東シナ海及び日本海で操業する大中型まき網漁業による漁獲の23%を占める(2001年)。主漁場は東シナ海から九州北〜西岸・日本海西部である。これまで、浮魚資源に対する努力量管理が、大中型まき網漁業の漁場(海区制)内の許可隻数を制限するなどのかたちで行われてきた。さらに1997年から、ゴマサバと併せてさば類についてTACによる資源管理が実施されている。


対馬暖流域での我が国のマサバ漁獲量は、1970年代後半には27〜30万トンであったがその後減少し、1990〜92年には13〜15万トンと大きく落ち込んだ。1993年以降漁獲量は増加傾向を示し、1996年には40万トンに達したが、1997年は21万トンに大きく減少し、2001年は74千トンと減少傾向は続いている。韓国は2001年に20万トン(多くはマサバ)、中国は2000年に35万トンのさば類を漁獲した。



漁獲量、漁獲努力量の情報や漁獲物の生物測定結果から、年齢別の漁獲尾数による資源解析(コホート解析)を行った。コホート解析は、1〜12月を1年として0から3歳以上の4年齢群について、漁獲方程式を数値的に解くことにより資源尾数・重量を計算した。最近年のFは過去3年平均とし、2歳のFと等しくなるように3歳以上のFを決めた。韓国のさば類漁獲量のうち80%がマサバとして資源計算に加えた。中国の漁獲は考慮していない。


対馬暖流域のマサバの資源量は、1979年の79万トンから1987〜89年を除いて1991年の44万トンまで漸減した後増加傾向を示し、1995〜96年には100万トンを越える高い水準に達した。しかし、1997年以降資源は急激に減少し、2000年は36万トン、2001年は若干増加したものの49万トンと低い水準に留まっている。親魚量と加入尾数の関係にはばらつきが大きいが、再生産成功率(加入量÷親魚量)には同じ水準が数年間引き続く傾向が見られ、1973〜79年までは高く、1980〜91年までは低く、1992〜95年は高いが、1996年以降は低い状態が継続している。現状の漁獲係数は、近年(2000〜2001年)の平均的な再生産成功率のもとで資源の現状を維持する程度と考えられる。


再生産成功率は1996年以降低い年が多くなっており、2001年の資源水準は低いので、近年の再生産成功率に見合った漁獲率で漁獲し、産卵親魚を確保することが必要である。近年(2000〜2001年)の平均的な再生産成功率のもとで、資源量の増加が期待できる漁獲水準で漁獲することを管理目標とする。そのためには現状の漁獲係数をやや下げる必要があり、仮定した再生産成功率のもとで資源の増加が期待できる0.8×Fcurrent = Fsim を資源管理基準としてABCを算定した。

  管理基準 ABC(トン) 漁獲割合 F値
ABClimit Fsim 160,000(43,000) 41% 0.82
ABCtarget 0.8 Fsim 136,000(36,000) 35% 0.66
ABC( )内は我が国EEZ内のもの
F値は各年齢の単純平均
漁獲割合=ABC/資源重量


  • 現状の漁獲係数は資源の現状を維持する程度
  • 1996年以降、再生産成功率が低い年が多い
  • 資源水準・動向が低位・減少なので資源状態は良くない
  • 中国の漁獲量は不明。この情報が入るとABCは変わる可能性あり


  • 近年の再生産成功率に見合った漁獲水準で漁獲すべき
  • 親魚量を確保し、資源の増加を図る
  • そのためには現状の漁獲係数をやや下げる必要がある