平成14年度資源評価票(ダイジェスト版)
スケトウダラ Theragra chalcogramma
根室海峡系群 担当:北海道区水産研究所


寿命: 10歳以上
成熟開始年齢: 3歳
産卵期・産卵場: 冬季(1〜4月)、根室海峡
索餌期・索餌場: 初夏〜秋季、オホーツク海と推測されるが未解明の部分が多い
食性: オキアミをはじめとする浮遊性小型甲殻類、イカ類、環形動物、小型魚類、底生甲殻類などさまざまなものを捕食
捕食者: 海獣類


漁期中の漁獲物の平均尾叉長と体重
漁期(11月−3月)と誕生日(4月1日)の関係から,1歳加齢した満年齢時の値に近い


本系群のスケトウダラは、主として刺し網およびはえなわ漁業によって漁獲される。主漁期は、11−3月である。対象とするのは産卵のために来遊した群である。


漁獲量は、1989年度まで増加を続けて過去最高の11.1万トンに達したのち急激に減少し、 1994年度には1.5万トンまで落込んだ。以後1999年度まで漁獲量は1.1〜1.8万トン台で低迷を続け、2000年度には1万トンを割り、過去最低の7,587トンとなったが、2001年度には若干増加して8,027トンとなった。
日本漁船による漁獲に加えて、1986〜1992年度には、ロシアのトロール船団が、根室海峡を含む国後島〜ウルップ島沿岸において1.5〜17.2万トンの漁獲をあげた。1994年以降資源状態の悪化により漁業は中止されていたが、1997年の冬季には操業を再開し、以後毎年操業を行ったもようである。
漁獲量は漁期年(4月〜翌年3月まで)で集計した。




日本漁船による漁獲量とCPUEが情報としてあるが、ロシア側の漁場では漁法の全く異なる大型トロール漁船による操業が行われており、この操業実態が不明のため資源解析は難しい。しかし、利用できる資料が他には無いため、ここでは、日本側の情報(日本漁船による漁獲量やCPUEの推移、漁獲物組成など)にのみ基づいて、資源状態を推定した。


日本側の漁獲量は、1993年度以降2万トンを下回る低い水準となり、1996年度以降は減少傾向を示し、CPUEも1991年以降低い水準で推移している。また、漁獲物年齢組成に若齢魚が見られず加入の改善の兆しも見られない。このため、資源水準は低く、減少傾向にあると推定した。


資源状態は低位で減少と推定され、現在の漁獲水準を引き下げる必要がある。利用可能な情報は、漁獲量である。資源状態が低位で、漁獲量が減少傾向にあるため、基準となる漁獲量には最近年の漁獲量を用い、漁獲量の低水準の継続、主要漁業の刺し網のCPUEの動向が、努力量が削減される中、横ばいから改善されないことや漁獲物の年齢組成に新規加入の兆しがみられないことを考慮して0.7を乗じた。ABCtarget算出のための安全率αはデフォルトの0.8を用いた。
来遊資源を回復させるには、ロシア船の漁獲規制も必要であり、北方四島周辺での漁業、漁獲物など資源状態に関する情報収集に努める必要がある。

  管理基準 ABC(トン) 漁獲割合 F値
ABClimit 0.7Ccurrent 5,600
ABCtarget 0.8ABClimit 4,500


  • 産卵期(漁期)以外の生態情報がほとんど無い
  • 隣接する国後島側の水域での漁獲状況が不明で、評価が難しい
  • 新規加入の改善の情報は無い
  • 主要漁業の刺し網のCPUEが低迷している


  • 資源の回復のためには、現在の漁獲水準の引き下げが必要
  • ロシア水域での情報の収集が必要
  • 来遊資源を回復させるには、ロシア船の漁獲規制も必要