平成14年度資源評価票(ダイジェスト版)
スケトウダラ Theragra chalcogramma
北見沖合系群 担当:北海道区水産研究所


寿命: 寿命:10歳以上
成熟開始年齢: 4歳
産卵期・産卵場: 産卵場:3〜5月北見大和堆から宗谷地方沿岸およびテルペニア(多来加)湾周辺と推定される
索餌期・索餌場: 初夏〜秋季、オホーツク海
食性: オキアミをはじめとする浮遊性小型甲殻類、イカ類、環形動物、小型魚類、底生甲殻類などさまざまなものを捕食
捕食者: 海獣類


6月の漁獲物の平均尾叉長と平均体重(1994−1996年度データ)


本系群のスケトウダラは、ほとんどすべてを沖合底びき網(沖底)が漁獲している。漁期は、流氷の接岸期を除くほぼ周年にわたるが、近年では5、6月と12、1月に集中する傾向にある。


漁獲量は、1988年度まで5万トン前後であったが、1989年度に2.3万トンと大きく落ち込み、以後0.5−2.5万トンの範囲で推移していたが、2001年度の漁獲量は2000年度の3倍近い2.4万トンとなった。
漁獲量は漁期年(4月〜翌年3月まで)で集計した。




日本漁船による漁獲量とCPUEが情報としてあるが、日本水域で得られるこれらの情報が資源全体の現状を代表するものとは考えられない。しかし、利用できる資料が他には無いため、ここでは、日本側の情報(日本漁船による漁獲量やCPUEの推移など)にのみ基づいて、資源状態を推定した。



1999年級群が、2001年漁期には漁場へ加入し、漁獲量の増加をもたらしたようであるが、これは、これまでオホーツク海では非常に少なかった若齢の2歳魚への漁獲圧力の増大という形で達成されている。1999年級群に続く年級に、豊度の高いものがあるという情報はない。
日本水域の漁獲量とCPUEは1989年以降非常に低い水準に減少し、その後はその水準からほとんど変化しておらず、資源の水準は低い。資源の動向は、1999年級群によって増加の傾向にあると考えられるが、後続の年級に豊度の高いものが見られないことと、2001年度にかなりの量の1999年級群が2歳魚で漁獲されたようで、この増加の傾向は長続きしない可能性が高い。


資源水準が低位で、高豊度と推測される1999年級群に既に大きな漁獲圧がかかっているため、資源の回復のためには、特に1999年級群に対する漁獲圧力を低減させる必要がある。1999年級群が2003年度にも日本水域にある程度の豊度を保ったままで来遊することを全く否定する材料は無いため、ここではこの1999年級群によって漁獲量が増加した2001年度の漁獲を含む過去3年間の漁獲量の平均値と資源回復のための係数0.7、また安全率を考慮した係数0.8を用いてABCを算定した。
なお、資源豊度が低位と推測される現状では、日本水域の漁場が系群の分布域の南縁に位置するため、日本水域からの情報だけでは資源状態の正しい把握が困難と考えられる。精度の高い資源評価のためにはロシア水域での情報収集が必要である。

  管理基準 ABC(トン) 漁獲割合 F値
ABClimit 0.7Cave 3-yr 11,000
ABCtarget 0.8ABClimit 8,800


  • 隣接するロシア水域での漁獲状況が不明で、評価が困難
  • 2001年度に1999年級群のかなりの量を漁獲
  • 日本水域の状況から、資源水準と動向を判断


  • 資源の回復のためには、現在の漁獲水準の引き下げが必要
  • 1999年級群へ過剰な漁獲がかからないように注意が必要
  • より精度の高い資源評価のためにはロシア水域での情報収集が必要