平成14年度資源評価票(ダイジェスト版)
スケトウダラ Theragra chalcogramma
太平洋系群 担当:北海道区水産研究所


寿命: 10歳以上
成熟開始年齢: 3歳
産卵期・産卵場: 冬季(12〜3月)、主に噴火湾周辺
索餌期・索餌場: 初夏〜秋季、主に道東海域
食性: 主要な餌料は、オキアミをはじめとする浮遊性小型甲殻類
その他、イカ類、環形動物、小型魚類、底生甲殻類など。大型魚による共食いも見られる
捕食者: マダラ、海獣類


尾叉長は計算された満年齢時のもの、体重は過去5年間の漁獲物平均体重


本系群のスケトウダラは、沖合底びき網(沖底)、刺し網、および定置網などによって漁獲される。主漁期は9〜3月である。主漁場は三陸地方(未成魚:0〜3歳)、渡島〜胆振地方(産卵親魚)、および十勝−釧路地方の沿岸(未成魚:2〜4歳)であるが、1995年級群のような卓越年級群が発生すると、各地での漁獲物の年齢組成はその影響をうける。2001年度道東海域では1995年級群である6歳魚の漁獲が最も多かった。


本系群の漁獲量は、1988年度までは20〜30万トンの間で増減を繰り返していたが、1989年度以降減少傾向を示し、1993年度には17.8万トンとなった。その後は1996年度の大幅な減少を除けば卓越年級群である1995年級によって、1998年度の26.5万トンまで増加傾向を示していた。しかし、1999年度に減少に転じ、2001年度には1998年度の半分程度の12.9万トンにまで落ち込んだ。
漁獲量は漁期年(4月〜翌年3月まで)で集計した。





コホート解析(Popeの近似式を用いたチューニングVPA)を用いた。最近年の漁業による年齢別の漁獲の強度(選択率)は過去9年間の平均とし、韓国漁船の影響を排するよう調整した。この選択率の下で、(1)1歳魚資源尾数と現存量調査で得られた道東海域における1歳魚現存量及び(2)沖底の年齢別CPUEと対応する年齢の資源尾数が最も良く適合するように、最近年のF(選択率=1のF)を決定した。しかし、今回は十分にチューニングできなかったため、2000、2001年度の0及び1歳魚の資源尾数については、道東海域における1歳魚の現存量や、コホートの後退法から推定した。


1995年級の発生以降1999年度までの間、高豊度の年級が発生しなかったため資源尾数は減少し、1999年度には1981年度以降で最低の42億尾となった。産卵親魚量(SSB)は1995年級群によって、2000年度には1981年度以降で最大の48.8万トンとなったが、2001年度には39.6万トンに減少した。2000年度には高豊度の年級群が加入したため、資源尾数は増加したが、この年級群が産卵親魚として産卵に参加する2004年度までSSBは減少傾向を示すと考えられる。2000年級群はまだ若齢で体重が軽く、資源重量で見ると2001年度は106万トンで1981年度以降では低水準であった。過去5年間の資源量の推移から、動向は減少である。


資源状態は、資源重量で見ると低位で減少傾向と判断された。しかし、SSBは2001年度からは減少に転じてはいるものの、2002年度もその水準は30万トンを越えていると推定され、高い。また、卓越年級群と推測される2000年級が2002年の秋期から2歳で道東の漁場に加入する見込みである。この年級群の0歳魚の資源量をみると、1990年度以降では1995年級群に次ぐ年級群と考えられている1994年級群の資源量に匹敵する。このため、今後資源の状態は急激に悪化することは無いと考えられるため、現在の資源を維持することを目標として、探索的にFを求め、ABCを決定した。
近年の低い再生産成功率が続くと、資源は再び減少を始めると考えられるため、加入動向を早期に把握して、漁獲圧を適切なレベルに保つように管理することが必要である。

  管理基準 ABC(トン) 漁獲割合 F値
ABClimit Fave 3-yr 151,300 13% 0.34
ABCtarget 0.8 Fave 3-yr 123,800 11% 0.28
F値は完全加入5歳のF
漁獲割合=ABC/資源重量
資源量は漁期始めの値


  • 1995年級群を中心とした資源量は減少傾向
  • SSB(産卵親魚量)はまだ高位で30万トン以上を維持
  • 比較的高豊度の2000年級群は2004年度には産卵資源に加入


  • 近年の資源の増加は卓越年級群に負うところが大きい
  • 近年再生産成功率が低迷しており、SSB(産卵親魚量)の低下には注意を要する
  • 現在の資源水準を維持するために過去3年間の平均の漁獲圧力を維持