平成14年度資源評価票(ダイジェスト版)
ズワイガニ Chionoecetes opilio
日本海系群 担当:日本海区研究所


寿命: 詳細は不明、10歳以上
成熟開始年齢: 脱皮齡期(脱皮の回数)で雌11齡、雄9齡
産卵期・産卵場: 初産雌6〜7月水深225m前後、経産雌2〜3月水深250m前後
索餌期・索餌場: 索餌は主分布域である陸棚斜面の水深200〜500mの海域で周年
食性: 浮游期は不明
着底後は甲殻類、魚類、イカ類、多毛類、貝類、棘皮動物など多様
捕食者: 小型のカニはゲンゲ類、カレイ類、ヒトデ類など


主に底びき網によって水深200〜500mの水深で漁獲されている。A海域(日本海西区、富山県以西)とB海域(日本海北区、新潟県以北)で規制が異なる。A海域では雌が1月21日〜11月5日、雄は3月21日〜11月5日が採捕禁止、B海域では雌・雄とも6月1日〜9月30日が採捕禁止である。両海域とも甲幅90 mm未満の雄と未成体雌の漁獲は禁止されている。A海域では初産の雌ガニの漁獲禁止や、カニ漁期しか操業しない海域を設定するなど多くの自主規制が行われており、省令による規制とともに資源保護に一定の効果を上げている。


1952年以降増加を続けた漁獲量は、1963年の15,600トンをピークに減少に転じ、1973年には10,000トンを割り込んだ。その後1981年までは5,000トン近く漁獲されていたが、以降再び減少し、1992年には1,947トンと最低値となった。それ以降はやや回復し、1996年は2,953トン、1999年は3,695トンと増加傾向にある。2001年漁獲量の暫定値は3,749トンであり、2000年(3,787トン)とほぼ同水準にある。



日本海西区(A海域)、日本海北区(B海域)とも面積〜密度法により資源量を推定した。密度の計算には西区ではトロール調査の結果を用い、採集効率V=0.26を仮定して資源量推定を行った。北区については、かにかご一斉調査の値を用い,面積1km2におけるかご1個、1日当たりの漁獲率を0.005として計算した。また、沖合底びき網漁業の漁場別漁獲統計を解析し、各漁区における資源量指数の推移を求めた。資源状態はこれらの結果を総合して評価した


漁獲量と沖合底びき網漁業における資源量指数(漁区別CPUEの総和)の動向からみると、西区の資源は1993年から1998年にかけて増加傾向にあった。1998年漁期以降は、横這い傾向にある。トロール調査に基づく2002年漁期当初の推定資源量は、雄合計で5,480トン、雌が2,815トンと計算され、2000年以降横ばい傾向と考えられる。また、今後大きな年級群が加入する可能性がある。北区の推定資源量は、年による海域間のバラツキが大きいもののほぼ横ばいにあるものと考えられる。また沖合底びき網の資源量指数も1997年以降は変動が大きいが、中水準で横這い傾向と考えられる。
海域全体としても資源は中水準で横ばい傾向と考えられる。
日本海西区
日本海北区


西区(A海域)の雌ガニに対する現状(2000年及び2001年漁期)の漁獲圧では、雌の現存量の推移は横ばいであり、新規加入量が減少した場合はすぐに産卵親ガニ量の減少につながる可能性がある。資源増大のためには、雌ガニに対する漁獲圧を減らし、もう少し安定した再生産を保証する必要がある。再生産成功率などが得られていないので、経験値として推奨されている35%SPRとなるFを管理基準として資源の維持回復を図る。雄についても同水準の漁獲係数を与えた。北区(B海域)については雌に対する現状のFは不明であるが、資源管理基準としてはA海域同様に雌のF35%SPRとなる値を資源管理基準として適当と判断した。

日本海西区2003年漁期(2003年7月〜2004年6月)
  管理基準 ABC(トン) 漁獲割合 F値
ABClimit F35% 4,300 34% 0.48
ABCtarget 0.8 F35% 3,900 31% 0.38
F値は各年齢の単純平均
漁獲割合=ABC/資源重量
資源量は7月の値

日本海北区2003年漁期(2003年7月〜2004年6月)
  管理基準 ABC(トン) 漁獲割合 F値
ABClimit F35% 430 23% 0.32
ABCtarget 0.8 F35% 359 19% 0.26
F値は各年齢の単純平均
漁獲割合=ABC/資源重量
資源量は7月の値


  • 西区の漁場別漁獲統計からみた資源状態は中水準で横ばい傾向
  • 西区の2000〜2002年の漁期初めの資源量推定値(2002年 雄合計5,480トン、雌が2,815トン)も横ばい傾向
  • 北区の沖底の資源量指数は変動が大きいが、横ばい傾向
  • 全体としての資源は中水準で横ばい傾向だが、西区では今後大きな年級が加入する可能性がある


  • 雌に対する漁獲を抑制して資源の安定的増大を図る
  • 省令や自主規制に基づく各種管理方策も有効に機能していると考えられるため、これらの取り組みの維持も大切