| スルメイカ |
Todarodes pacificus |
| 冬季発生系群 |
担当:北海道区水産研究所 |

| 寿命: |
約1年 |
| 成熟開始年齢: |
雄は約9ヶ月、雌は約11ヶ月で成熟する |
| 産卵期・産卵場: |
冬〜春季(12〜3月)、主に東シナ海 |
| 索餌期・索餌場: |
夏〜秋季、主に三陸〜北海道沖 |
| 食性: |
稚仔・幼体は動物プランクトン、未成体以降は小型魚類や大型動物プランクトン、イカ類など |
| 捕食者: |
サメ類などの大型魚類、イカ類、海産ほ乳類 |




スルメイカは主に小型いか釣り、底びき網、定置網などによって漁獲される。本系群は我が国以外にも、韓国、中国、北朝鮮によって漁獲され、そのうち韓国による本系群の漁獲量は、我が国の約35%に達する。本系群は6月より常磐・三陸太平洋沿岸で漁獲が始まる。その後、9〜11月にかけて北海道沿岸域が主漁場となる。11月以降は日本海側に主漁場が移動し、漁期の最後は九州北西部で12月から翌年2月にかけて漁獲される。

冬季発生系群の漁獲量は、1950〜60年代にピークを迎え、主漁場は道東から北方四島の太平洋側に形成され、1968年の漁獲量約55万トンは、日本全国の漁獲量の84%を占めた。その後、漁獲量は急減し、1980年代は低水準であった。1990年代に入り、漁獲量は再び増加傾向に転じ、1996年には38万トンに達したが、1998年に激減、その後回復と、漁獲量は大きく変動している。2001年の漁獲量は25万トンであった。



冬季発生系群の資源状況は漁獲統計を基に、東北・北海道太平洋側主要港における小型いか釣り漁船の6〜12月までの1日1隻あたりの漁獲量(CPUE)の平均値を用いて把握している。そして、CPUEの平均値を基礎として計算を行い、資源量を推定している。また、推定した資源量と漁獲量から産卵親魚量を算出し、産卵親魚量と翌年の資源量との関係(再生産関係)を用いて今後の資源量の予測を行っている。

資源量は1980年代の終わりから増加傾向を示し、1996年には154万トンに達した。その後、1998年に急減が認められたが再度回復している。2002年は2000年の水準に近い79万トンと推定された。産卵親魚量は1980年代後半から増加傾向を示し、1996年には最大の54万トンに達した。その後1998年に急減したものの再度上昇傾向が認められる。1989年以前では、1979、1982及び1985年にきわめて小さい産卵親魚量が算出されている。現在の冬季発生系群の資源水準は高位で、資源動向は、最近5年間の推定資源個体数から横ばいと判断された。

本系群は高位水準で横ばいであることから、資源を現状の水準に維持することを管理目標とした。また、スルメイカの資源量は海洋環境の変化によって大きく変化すると考えられていることから、近年の海洋環境下における再生産関係をもとに管理方策を検討した。その結果、スルメイカの漁獲割合を37%以下におさえることで、現在の高い漁獲量水準を維持できると計算された。なお、近年の漁獲割合は約30%であることから現在の漁獲努力量であれば、現在の高い資源水準を十分維持できると判断される。
単年生の本種は、毎年、世代が更新し、新規加入量がその時の資源量となるため、年による生息環境の変化により、再生産成功率が大きく変化する可能性があり、資源量が予測値と大きく異なる場合がある。新規加入量を漁期前に把握する手法を確立し、管理目標値を見直す体制を整える必要がある。
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管理基準 |
ABC(トン) |
漁獲割合 |
F値 |
| ABClimit |
Fmed |
320,000(209,000) |
37% |
0.66 |
| ABCtarget |
0.67 Fmed |
244,000(159,000) |
27% |
0.44 |
ABC( )内は我が国EEZ内のもの
F値は2003年度加入群に対する値
漁獲割合=ABC/資源重量
資源量は加入時の値

- 資源状況は小型いか釣り船の漁獲動向から把握
- 冬季発生系群は1980年代後半から資源水準が回復
- 近年5年間の資源動向は高位水準で横ばい傾向

- 近年5年間の再生産関係をもとに管理方策を検討
- 年による生息環境の変化により、再生産成功率が大きく変化する可能性があり、加入量の早期把握とそれに応じた管理目標の見直しが必要
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