平成14年度資源評価票(ダイジェスト版)
カタクチイワシ Engraulis japonicus
対馬暖流系群 担当:西海区水産研究所


寿命: 2〜3歳
成熟開始年齢: 1歳魚では大半が産卵する
産卵期・産卵場: 春から夏にかけて主に産卵し、能登以南では秋にも産卵する。産卵場は沿岸から沖合にかけて広い範囲で行われる
索餌期・索餌場: 詳細は不明
食性: カイアシ類を中心とした動物プランクトンを捕食
捕食者: 大型の魚介類や海産ほ乳類および海鳥類などに捕食される




本資源は、日本海北区(石川県から新潟県)では主に定置網・敷網により漁獲され、日本海西区(山口県から福井県)では主に大中型まき網・中型まき網・定置網・敷網により漁獲されている。東シナ海区(福岡県から鹿児島県)では、おもに中型まき網により漁獲される。なお、日本海および東シナ海では一部の海域を除いて、大平洋や瀬戸内海のようなシラスを対象とした漁業は発達していない。


日本海では、日本海北区の漁獲量は1995年に約9千トンまで増加した後、1997年を除いて5千トン以上を維持してきたものの、2001年は400トン(速報値)まで減少した。日本海西区の漁獲量は1994年を除いて1991年から1998年まで増加した。1999年・2000年はやや減少傾向で、2001年は約21千トン(速報値)であり、2000年(57千トン)を大きく下回った。東シナ海区での漁獲量は1991年以降増加傾向にあったものの、2000年・2001年は減少傾向にある。2001年の漁獲量は46千トン(速報値)であり、2000年の65千トンを下回った。



月別コホート解析により資源量を推定した。他に、卵稚仔調査による卵豊度推定や、計量魚群探知機による現存量推定なども実施している。月別コホート解析は、月別漁獲量から銘柄別漁獲量と体長組成をもとに月齢別漁獲尾数を推定した。自然死亡係数は生活史初期で高くなるようにした。


卵稚仔調査により推定した卵豊度の経年変化では、1998年から2000年までは高い水準で推移していたが、2001年は大幅に減少した。計量魚群探知機調査による現存量推定値の結果は、1997年を最低として1998年以降2001年まで高水準であった。月別コホートの結果、1997年から1999年まで高水準にあったが、2000年・2001年は減少している。以上の結果から、1990年代の後半に資源が高水準となったが、2001年には中水準にまで減少していると判断された。


本資源の資源量と漁獲量は加入の程度によって決定される。現在のところ産卵親魚量と加入量とに明瞭な関係はみられない。したがって、現在の資源水準を維持することを管理目標とした。2002年の加入量は1999年から2001年の月別の平均加入量と仮定した。2003年の加入量は1999・2000年の平均再生産成功率(加入量÷親魚量)で決定されると仮定した場合に、資源量が2001年の資源量を維持するFを探索的に求めた。これをFlimitとすると、Ftargetは0.8×Flimitとし、ABCを算定した。

  管理基準 ABC(トン) 漁獲割合 F値
ABClimit F現状維持 18,000 9.6% 0.1
ABCtarget 0.8 F現状維持 15,800 8.0% 0.08


  • 月齢組成を月別に求め、月別コホート解析を行った
  • 2001年の秋季発生群の加入が悪かった
  • 卵稚仔調査の結果、2001年は2000年を大幅に下回った
  • 韓国の漁獲量を含めると資源量は大幅に変わる可能性がある


  • シラスからカエリ・小羽期に集中して漁獲されるため、産卵親魚の確保が重要である
  • 少なくとも、現状の産卵親魚量をたもつようにABCを求めた