| ヒラメ |
Paralichthys olivaceus |
| 太平洋中部系群 |
担当:中央水産研究所 |

| 寿命: |
15歳(本系群では詳細は不明) |
| 成熟開始年齢: |
3歳(一部個体では1、2歳でも成熟がみられる) |
| 産卵期・産卵場: |
産卵期は春季(3〜4月)と思われるが詳細は不明、産卵場についても不明 |
| 初期生態: |
ふ化した仔魚は浮遊生活後に変態し、体長1cmぐらいで水深20m以浅の砂〜砂泥域に着底する |
| 食性: |
ふ化仔魚は動物プランクトンを食べるが、着底した稚魚はアミ類や魚類稚魚を食べ、成長に伴って魚類へと移行する |
| 捕食者: |
稚魚期にはヒラメの1歳魚以上や他の魚類が捕食者であることが知られているが、詳細については不明 |




刺網、小型底びき網、定置網、釣などによって漁獲されているが、主体は刺網である。漁獲は周年みられるが、12月〜3月に産卵群を対象とした漁獲量が多い。漁獲物の年齢は地域、漁法などによって異なるが、1〜3歳魚が主体である。

漁獲量は1951年の1,380トンから1984年の360トンまで減少傾向が続いていたが、1986年を中心として900トンにせまる急激な漁獲量の増加がみられた。その後、漁獲量は低下したものの1997年まで増加傾向で推移した。しかし、1998年から漁獲量は減少傾向に転じ2001年は2000年を下回る484トンとなった。近年20年間の漁獲量から判断すると現状は中水準であると考えられる。



1992年以降の資料を用いPopeの近似式を用いたコホート解析により年齢別資源尾数,初期資源量及び漁獲係数を推定した。年齢は4歳までと5歳以上(5+)の6階級に分けた。2001年の4歳魚までの漁獲係数は過去5年間の平均値を用い、最高年齢群(5+)と4歳の漁獲係数(F)には比例関係があると仮定して、石岡・岸田(1985)の反復式で試算を行ったところ、漁獲係数の比率を変化させても資源尾数に大きな差は認められなかったので、4歳魚と5歳以上の漁獲係数は等しいとして計算を行った。自然死亡係数(M)は過去の資料から0.2とした。

1992年以降の10年間では、初期資源尾数は1996年に最高の248万尾に達したが1999年まで減少傾向で推移し、2000年以降は再び増加傾向に転じている。2001年の初期資源尾数は約183万尾と推定された。加入当たりの漁獲量(YPR)を計算すると、YPRが最大となるFmaxは0.714となり、コホート解析より得られる完全加入年齢(2歳)における現状の漁獲係数(Fcurrent)1.02はFmaxを超えているので成長乱獲の状態にあるといえる。放流魚の添加効率を7%として、各年毎に天然0歳魚の資源尾数を算出してコホート解析から得られた親魚資源重量との関係をみると、再生産成功率は近年上向き傾向に転じた可能性が示唆された。

ヒラメ太平洋中部系群では種苗放流事業が盛んに行われており、さらに各県による漁獲物の体長制限が行われていて、若齢魚の保護が一般化している。漁獲量は近年減少傾向にあるが、加入量の増加傾向と定置網漁獲量の増加傾向からみて資源水準は下げ止まったと判断される。しかし、資源評価結果では現状の漁獲係数(Fcurrent)がFmaxを上回っており、成長乱獲の恐れが認められたので漁獲係数を引き下げる必要がある。そこで、加入当たりの漁獲量(YPR)を管理手段に用いて、現状の漁獲係数をFmaxまで引き下げ、これによって期待される2003年の漁獲量を推定してABCとした。
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管理基準 |
ABC(トン) |
漁獲割合 |
F値 |
| ABClimit |
Fmax |
362 |
42% |
0.71 |
| ABCtarget |
0.8 Fmax |
305 |
35% |
0.57 |
F値は完全加入年齢(2歳)
漁獲割合=ABC/資源重量

- 1996年以降減少傾向であった資源は増加傾向に転じ、資源回復の兆しがある
- 現状の漁業は漁獲圧が強く、成長乱獲の恐れがある
- 再生産関係は若干好転してきた可能性がある

- 漁獲物の体長制限を一層推進して若齢魚の保護を徹底する
- 漁獲圧を下げて成長乱獲を回避する必要がある
- 再生産関係に好転の兆しみられるので、再び悪化しないように注視する必要がある
- 精度の高い資源評価を行うためには、放流魚の生き残る割合や成長等に関する情報が不可欠なため、放流魚に関する調査を一層推進する必要がある
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