| ヒラメ |
Paralichthys olivaceus |
| 瀬戸内海系群 |
担当:瀬戸内海区水産研究所 |

| 寿命: |
15歳程度 |
| 成熟開始年齢: |
雌は一部2歳、雄は一部1〜2歳から、雌雄により成長に顕著な差 |
| 産卵期・産卵場: |
東部海域では2〜5月、中西部海域では3〜6月 |
| 索餌期・索餌場: |
ほぼ周年、瀬戸内海全域、紀伊水道、豊後水道及び四国の太平洋沿岸域 |
| 食性: |
着底後の稚魚はアミ類、仔魚等を主食、成長にともない魚食性に移行 |
| 捕食者: |
稚魚に対してはマゴチなどの大型魚 |



主に小型底びき網、刺網、定置網によって、秋に未成魚、冬から春にかけて成魚を主に漁獲している。2000年では漁獲量の65%が小型底びき網漁業によるもので、小型底びき網では0歳あるいは1歳の小型魚も多く漁獲されている。

漁獲量は1970年代までは100〜400トンで推移したが、1980年代から増加し始め、1988年には1,000トンに達し、それ以降は1,000トン前後を推移している。1999年に過去最高の1,118トンを記録したが、2000年はやや減少し1,024トン、2001年は1,031トン(概数値)であった。



灘別漁獲統計の経年変化を解析し、これに主要漁協の水揚げ状況、水揚げされたヒラメについての全長測定、年齢査定、放流魚の混獲率、貧血症原因寄生虫である扁形動物Neoheterobothrium hirameの寄生状況等の生物情報収集調査結果、燧灘沿岸におけるそりネットを用いた着底稚魚密度調査結果、試験操業結果などを加味して資源評価を行った。

漁獲量は1955年に453トンであったが、その後減少し1960年代は100トン前後の低位であった。1970年以降、漁獲量は増加傾向に転じ、1979年から人工種苗の放流が開始されると、放流尾数の増加に伴って漁獲量は急激に増加し1985年以降は現在に至るまで高位で安定している。しかし、0歳魚、1歳魚の漁獲割合が高く、魚が大きくならないうちに漁獲してしまう成長乱獲の傾向がうかがえる。放流魚の混獲率は地域差がみられるが、放流種苗は瀬戸内海のヒラメ資源形成の一翼を担っていると考えられる。また、2001年の調査では、稚魚の着底密度は2000年並かやや上回る程度で、N. hirame の寄生は4〜5月に採集された親魚だけでなく、0歳魚で8月から認められた。

漁獲量は高水準の横ばい状態で推移しており、現在の加入が安定的に継続するとともに、小型魚の再放流を徹底するなど未成魚に対する漁獲圧を制御することにより、現在の漁獲量水準を維持できると考えられる。また、1995年以降、毎年400万尾前後の人工種苗が放流され、放流による添加効果は高いと推測されることから、環境収容力を把握し適正規模の種苗放流を継続する。現在の高位・横ばいの資源水準を維持するため、漁獲量を現状以上に増加させないことを管理目標とし、最近5年間(1997〜2001年)の漁獲量の平均によりABClimit、また安全率を0.8としてABCtarget を算定した。なお、N. hirame の寄生状況について、資源に悪影響を与えかねない要因として今後もモニタリングしていく必要がある。
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管理基準 |
ABC(トン) |
漁獲割合 |
F値 |
| ABClimit |
Cave5-yr |
1,037 |
- |
- |
| ABCtarget |
0.8 ABClimit |
829 |
- |
- |

- 漁獲量は1985年以降現在まで高水準で安定している
- 若齢魚の漁獲が多く成長乱獲の傾向がある
- 放流種苗が資源形成の一翼を担っている
- 2001年の稚魚の着底密度は2000年並かやや上回る程度
- 貧血症原因寄生虫の影響が危惧される

- 管理目標は漁獲量を現状以上に増加させないこと
- 小型底びき網漁業を主体に小型魚への保護策を検討する
- 環境収容力を考慮した適正規模の種苗放流を行う
- 貧血症原因寄生虫の寄生動向に注意する
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