| サワラ |
Scomberomorus niphonius |
| 瀬戸内海系群 |
担当:瀬戸内海区水産研究所 |

| 寿命: |
雄は6歳、雌は8歳程度 |
| 成熟開始年齢: |
雄は一部1歳、雌は2歳から、最近は1歳雌も一部産卵する |
| 産卵期・産卵場: |
東部では播磨灘の鹿ノ瀬、室津の瀬、備讃瀬戸の中の瀬、また西部では燧灘西側一帯の瀬で5〜6月に産卵する |
| 索餌期・索餌場: |
0歳は夏〜秋、1歳は春〜秋に内海域 |
| 食性: |
稚魚は主にイワシ類のシラスを、未成魚期以降は魚食性が更に強くなる |
| 捕食者: |
不明 |



サワラは冬を東部では紀伊水道以南の太平洋沿岸、西部では伊予灘・豊後水道域で過ごし、春に東は紀伊水道、西は豊後水道を経て内海へ来遊し、秋に外海に移出する。親魚は春に流し網、定置網、釣りで漁獲される。幼魚は夏に産卵場の周辺で小型底びき網、パッチ網で混獲され、成長に伴って秋には外海に近い伊予灘、豊後水道及び紀伊水道で1歳魚とともに曳縄や釣りで漁獲される。冬の漁獲量は少ない。

漁獲量は1975年までは1,700トン以下で推移した。この頃までに揚網機が導入されたり、秋漁が広く行われるようになって、着業隻数が増加して漁獲量が徐々に増加し、1987年には6,255トンで最高となった。その後漁獲量は1998年に196トンまで急速に減少したが、2001年に東部(備讃瀬戸以東)で270トン、西部(燧灘以西)で314トン、合計583トンまで回復した。


標本の年齢組成から水域・年・年齢別漁獲尾数を作成し、自然死亡係数(M)を0.3として、Pope(1972)の簡便法によるコホート分析を東西別に行った。1995年級までの5つの年級群の漁獲物曲線から推定した全減少係数からMを引いて漁獲係数(F)を求め、この平均値を最高齢のFとした。各年の最高齢のFは東部では五色、西部では河原津の流し網船の1日当たり漁獲量で標準化した努力量で重み付けた。2001年の3歳以下のFには前3年の平均値を使用した。2000年と2001年の東部の1歳魚の資源尾数は放流魚(体長8〜10p)の再捕結果にPetersen法をあてはめて推定した値を使用した。

東部では資源重量が1987年の約12,200トンから2001年には 892トンに、同期間に西部では約5,500トンから807トンになった。資源水準は低位である。資源は東部で1997年又西部で1998年を底に増加傾向にある。この回復は加入のよかった1999年級に支えられている。2000年級は小さいが、2001年級は1999年級を上回るようだ。上記資源量推定値は放流分を含む。

資源水準が低いため、資源悪化に伴う成長の増進が認められ始めた1990年代初頭まで資源をまず回復させることを目標として管理方策を検討した。親子関係が明瞭でなく資源が低位であるため、管理基準値としては東部と西部のそれぞれの資源について現状のFと基準値(F30%など)とを比較し低い方の値を採用した。資源を回復させるための係数β2としては、2002年から実施される努力量削減措置の効果を海域別年齢別に見積もった数値(0.43〜0.99)を採用してABCを算出した。
| |
管理基準 |
ABC(トン) |
漁獲割合 |
F値 |
| ABClimit |
F×β2 |
590※1 |
35% |
- |
| ABCtarget |
F×β2×α |
505※2 |
30% |
- |
注)
※1東部324トンと西部266トンの合計。
※2東部281トンと西部224トンの合計。

- 2001年の資源量は1987年に比べ東部で7%、西部で15%と低位である
- 資源量は東部で1997年、西部で1998年を底に増加傾向にある
- この増加は近年では加入のよかった1999年級に支えられている
- 2003年のABCは東部では2001年の漁獲量を上回るが西部では下回る

- 西部ではこの2〜3年8月以降伊予灘や水道域で漁獲が好調である
- 資源は回復傾向にあるが水温の上昇で魚が滞留し漁獲されやすい状況もある
- 西部で2003年のABCが低いのは1歳魚の漁獲圧が高いためである
- 西部では情報を増やし、ABCと0〜1歳魚の保護との関係を検討する必要がある
|