平成14年度資源評価票(ダイジェスト版)
ニギス Glossanodon semifasciatus
大平洋中・南部系群 担当:中央水産研究所


寿命: 5歳
成熟開始年齢: 2歳
産卵期・産卵場: 周年にわたるが,盛期は春季と秋季
索餌期・索餌場: 春〜秋季(5〜11月),伊豆半島以西から九州の太平洋沿岸の水深100〜350mの海域
食性: 幼魚期はコペポーダなどを主に食べるが,成長するに伴いオキアミなどのより大型の浮遊性甲殻類を食べる
捕食者: 中・大型の底魚類




太平洋側では伊豆半島以西から九州太平洋側にかけて底びき網により漁獲される。太平洋南部海域においては水深100〜350mの底層に分布し、水深200〜250mの底層で、主に1そうびき沖合底びき網により漁獲される。その他、小型底びき網および2そうびき沖合底びき網によっても漁獲される。近年、1そうびき沖合底びき網の着業隻数が漸減傾向にある一方、2そうびき沖合底びき網の本種に対する依存度は高まりつつある。


漁獲量は1980年代後半から増加傾向にあり、1996年には統計の整備された1978年以降最高の1、936トンを記録した。しかし、その後は減少傾向に転じ、2001年には1、119トンと過去最低の水準まで落ち込んだ。漁獲の減少は、1そうびき沖合底びき網の着業隻数の漸減と小型底びき網の漁獲量の減少によるところが大きい。



沖合底びき網漁業の漁獲成績報告書に基づく漁場別漁獲統計および農林水産省統計情報部の漁業養殖業生産統計年報の速報値をもとに、資源評価を行った。漁獲量の5割以上を占める1そうびき沖合底びき網漁業の漁獲量、有効漁獲努力量および資源量指数の過去24年間の推移から資源評価を実施した。また、調査船調査による過去の知見から幼魚(0歳魚)の分布量を示す指数と2年後の漁獲量との間に正の相関関係があることから、漁業者からの聞き取り調査や調査船調査により幼魚の分布量を推測し、2年後の漁獲量の動向を予測し、資源評価に応用する予定である。


1そうびき沖合底びき網の漁獲量、有効漁獲努力量および資源量指数をみると、有効漁獲努力量は1980年代半ばに比べ1990年代後半には約3分の1まで減少したが、これはこの間に多くの1そうびき沖合底びき網が廃業したことによる。1996年以降、有効漁獲努力量は7〜9千曳網回数であまり変化していないにもかかわらず、資源量指数、漁獲量ともに2001年のそれらは1996年の半分以下に低下しており、資源状態の悪化が著しい。


主力漁業である1そうびき沖合底びき網の漁獲量が依然減少傾向にあることから、漁獲を抑制して資源の減少傾向に歯止めをかけ、増加に転じさせることを目標とする。現在、利用できる情報は漁獲量だけであることから減少傾向にあった過去3年間(1999〜2001年)の平均漁獲量の8割を2003年のABCの上限値とする。また、2001年に漁業者から行った聞き取り調査により、幼魚(0歳魚)の量が比較的多いという情報から、それらの幼魚が漁獲対象資源となる2003年には資源の回復が予想されるため、ABCの上限の9割をABCの目標値とする。

  管理基準 ABC(トン) 漁獲割合 F値
ABClimit 0.8Cave3-yr 967 - -
ABCtarget 0.72 ABClimit 870 - -


  • 1そうびき沖合底びき網の漁獲量は、1998年以降減少傾向となり、2001年には過去最低
  • 2001年の総漁獲量も過去24年間で2番目に低い値


  • 漁獲を抑制して資源の減少傾向に歯止めをかけ、増加傾向に転じさせる
  • 資源量の推定のため年齢・成長関係を明らかにするとともに、漁獲物の体長組成等の蓄積を図りコホート解析の導入を目指す
  • 今後の資源動向については、幼魚の新規加入量指数等のデータを蓄積して2〜3年後の資源量予測につなげる