平成14年度資源評価票(ダイジェスト版)
ヤリイカ Loligo bleekeri
太平洋南部系群 担当:中央水産研究所


寿命: 1歳
成熟開始年齢: 1歳
産卵期・産卵場: 土佐湾では冬〜春季(1〜4月)
索餌期・索餌場: 夏〜秋季(8〜12月)、四国〜九州の太平洋側、水深100〜300mの沿岸域
食性: 浮遊性甲殻類を主に食べるが、成長に伴い食性は小型の餌から大型の餌に変化する
捕食者: 不明



太平洋側では北海道南部から本州、四国及び九州沿岸にかけて底びき網等で漁獲される。太平洋南部海域においては水深100〜300mの底層に分布し、水深100〜250mの底層で、主に2そうびき沖合底びき網により漁獲される。


漁獲量は1970年代後半〜1980年代後半には500〜2,200トンの漁獲があり、2そうびき沖合底びき網の主要対象種の1つであった。しかし、漁獲量は1991年に300トン台まで急減し、1993年には59トンにまで低下した。最近3年間の漁獲量は300トン前後であり、2001年の漁獲量は過去6年間で最低の250トンとなり、依然として低い水準である。





沖合底びき網漁業漁獲成績報告書に基づく漁場別漁獲統計を解析し、資源評価を行った。2そうびき沖合底びき網による有効漁獲努力量(ヤリイカを対象とした操業のひき網回数)、有効ひき網1回当たりの漁獲量(CPUE)および資源量指数(ヤリイカの漁獲があった漁区の年間のCPUEを積算した値)の過去24年間の推移を求めた。


有効漁獲努力量は1978年から1992年まで漸増傾向であり比較的高い水準で推移したが、1993年に一旦大きく低下して1979年の水準になった。CPUEと資源量指数は1978〜1990年までは比較的高い水準で年変動を繰り返していたが、1991年以降急激に減少して1993年には最低となった。有効漁獲努力量は1994年以降微増傾向にあったが、2000年以降は2そうびき沖合底びき網漁船の操業統数が減少したこともあり1993年の水準に再び低下した。CPUEと資源量指数は1997年以降一貫して減少傾向にあり、資源水準は依然として低位で資源状態は良くないと判断される。


1990年代に入り2そうびき沖合底びき網によるヤリイカの漁獲量および資源量指数が過去24年間の最低水準となり、最近3年間も低い水準で推移し、特に2001年には1996年以降最低の漁獲量になっている。このことから資源水準は低位で、減少傾向にあると考えられる。このため、漁獲を抑制して資源の減少傾向に歯止めをかけるとともに、1990年以前の資源水準(年間500トン以上の持続的漁獲が可能な資源水準)まで回復させることを管理目標とした。ABCの算定には現在の漁獲量を基準とし、最近6年間の資源量指数の変化率から得た2年後の漁獲量の変化率0.59を乗じてABClimitを算定し、それに安全率0.7を乗じてABCtargetを算定した。

  管理基準 ABC(トン) 漁獲割合 F値
ABClimit 0.59 Ccurrent 148 - -
ABCtarget 0.7 ABClimit 104 - -


  • CPUEと資源量指数は1978〜1990年までは比較的高い水準で年変動
  • 1991年以降急激に減少して1993年には最低
  • 1997年以降一貫して減少傾向
  • 資源水準は依然として低位で資源状態は良くない


  • 漁獲を抑制して資源の減少傾向に歯止め
  • 管理目標は1990年以前の資源水準(年間500トン以上の持続的漁獲が可能な資源水準)までの回復
  • 産卵期直前および産卵期の産卵群の確保が資源回復のために必要