| ヤリイカ |
Loligo bleekeri |
| 対馬暖流系群 |
担当:日本海区水産研究所 |

| 寿命: |
ほぼ1年 |
| 成熟開始年齢: |
8〜9ヶ月 |
| 産卵期・産卵場: |
本州日本海側で1〜5月(2〜3月中心)、北海道海域ではこれよりかなり遅く、5〜7月
沿岸の岩礁域、陸棚上の沖の瀬などに房状の卵塊を産み付ける |
| 索餌期・索餌場: |
夏〜秋季に陸棚上、主に100〜200mの水深帯 |
| 食性: |
イカ類、端脚類、オキアミ、浮遊性甲殻類など。 |
| 捕食者: |
不明 |




陸棚の発達する日本海西部海域では沿岸から沖合にかけて広範囲に分布し、各種底びき網漁業、イカ釣り漁業、定置網漁業により漁獲される。盛漁期は10〜3月である。日本海北部(石川県〜北海道)では定置網の漁獲量が底びき網よりも多いが,盛漁期は産卵期でもある冬季である。

日本海西部海域では2そうびき沖合底びき網漁業(2そうびき沖底)により、1977年には13,700トンも漁獲されたが、以降は減少傾向が続いている。2000年の2そうびき沖底の漁獲量は76トン、2001年は105.2トンであった。沿岸漁業における日本海西区(山口県〜福井県)の漁獲量も現在230トンと低水準にある。日本海北部(石川県〜北海道)における1990年以降の漁獲量は3,700〜6,700トンの間で変動している。2001年の対馬暖流系全体としての漁獲量は3,800トン程度と推定される。


ヤリイカは農林統計の全国集計対象種になっていないため、公式統計の存在しない地域が存在する。したがって、漁獲量の経年値等に関する情報の蓄積が少ない。日本海西部海域では沖合底びき網漁業漁獲成績報告書に基づく漁場別漁獲統計を解析し、1975年以降の山口県および島根県の2そうびき沖合底びき網漁業による資源密度指数の経年変化を指標にした。日本海北部海域では、漁獲統計が古くから整備されている青森県の漁獲量の経年変化を指標にした。

西部海域における2そうびき沖底による資源密度指数は1977年に170を超えていたものが2000年には1/25以下のわずか5にまで減少した。北部海域で最も漁獲量の多い青森県の漁獲量の経年変化は、1985年までの減少傾向は西部の2そう沖底の指数の傾向と符合するものの1986年以降は変動しながらも増加に転じ、1995年ごろまで増加傾向にあった後は横ばい傾向を示す。
環境変化の影響を受けやすい資源であり、主分布域が北偏している可能性がある。西部海域での水準が極めて低いため、北部海域は比較的安定しているものの全体の水準は低位である。現在の資源の中心である北部海域でも1995年をピークとしては若干減少傾向にあると考えられる。したがって資源水準は低位、資源傾向は減少と考えられる。

ヤリイカ資源は全体として低水準にあるが、環境の影響や年変動も大きいと考えられ、極端に漁獲圧を減らしても西部海域の資源が急速に回復すると考えられない。一方、現在の分布の中心と考えられる北部海域の資源は、1984年以降増加傾向にあったが、1995年以降はやや減少傾向にある。ヤリイカは年魚であるので、再生産が好転すれば資源も急速に回復する可能性がある。産卵親魚を確保しながら好環境下での大きな年級の発生を待つことが資源の増大につながると考えられる。最近3カ年の平均漁獲量4,800トンに0.8を乗じてABClimitとし、これに安全率0.8を乗じてABCtargetとした。。
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管理基準 |
ABC(トン) |
漁獲割合 |
F値 |
| ABClimit |
0.8Cave3-yr |
3,800 |
- |
- |
| ABCtarget |
0.8ABClimit |
3,100 |
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- 西部海域の資源は1977年以降急減し、現在も低位で減少
- 北部海域の資源は1985年まで減少し、その後増加、現在やや減少
- 全体としての資源水準は低位で減少
- 環境変化の影響が大きく、主分布域の移動も想定

- 環境の影響が大きく、西部海域での資源回復は漁獲制御だけでは困難
- 産卵親イカをある程度確保しておき、大きな年級の出現を待つことが大切
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